「1Q84」村上春樹著 読了

投稿日:2012年3月1日

 図書館で借りようとしても予約待ちが多いだろうし、買うのもばからしいし、文庫本が出たら読もうと思っていたのですが、偶然、同業の友達から上記の本を貸してもらいました。

 2月12日に借りて2月29日に読了しました。全1657ぺージですから、1日平均92ページずつ読んだことになります。毎日、夜10時頃から読み始め午前1時頃まで読んでました。ほんとは11時30分頃が就寝の時間なのですが、おもしろくて止まらず、おかげでこの2週間ばかり寝不足が続きました。

 この本は、ある意味幻想小説のジャンルにはいるかもしれません。現実には起こりえない異空間に迷い込み、月が2個存在する世界、リトルピープルが空気さなぎを紡ぎ、マザとドータを生み出し何かを人間に指令する。中心概念が曖昧模糊としており、すっきりと頭の中で理解できない物語なのですが、浅間山荘事件とオオム真理教を合併させ、必殺仕置き人が登場するスリリングですごくおもしろい本でした。以前に読んだ著者の本には、静寂の中で物語が進行していくような不思議な感覚があったのですが、この本にはそういう静的感覚がなくなっていました。よりエンターテインメント性が強まった印象を受けました。しかし、こんな物語を創造し、言葉で人間の営み、感情、思想を生産していく作業はほんとに大変な仕事だと痛感いたしました。